レーシック難民から見た「レーシックのメリットとデメリット」(現代社会の公害=レーシック)

一般の人にレーシックを煽る広告が散見されます。

重要事項が欠落していますので、私から見た「レーシックのメリットとデメリット」を書きます。

ちなみに私はレーシック手術は成功しており、術後9年間はすばらしい視界に大変満足していました。様々な後遺症が出てきたのは、術後9年を経過した頃からです。

レーシックのメリット

メリット1:近視・遠視・乱視が治せる

これは正しいです。私も視力が0.03から1.5程度に回復しました。今でも視力は1.0程度あり、乱視もほぼありません。

ただし、私は、近視も遠視も乱視もほとんど無いにもかかわらず、私の視界はこんな感じです。

※1 レーシック後遺症の恐ろしい視界
http://www.visionsimulations.com/

これらの1つ1つの中ですべての症状があります。実際の見え方のレベルはこれらの画像よりも上下する場合もありますが、おおむねこのような見え方だと思ってもらって良いです。

そして、さらに恐ろしいのは、「現在も見え方が悪化している」という事実です。

メリット2:手術時間が短い

これも正しいです。しかし、手術時間が短いことで、一般の人が気軽に受けてしまう傾向があるので、私はデメリットであると考えます。

メリット3:術後の回復が早い

確かに翌日から近視は治っていますので「近視が治って感動した」というお声も正しいと思います。実際、私もそうでした。

しかし、レーシックは回復しない部分を削ることで視力回復を実現するものであり、私の経験ですと、「自然治癒する人間の他の部位とは異なり、目の表面は正常に回復することは無い」と考えられます。私の例で言うと、徐々に角膜表面および目の内部が変化し続けており、様々な後遺症が出てきました。
一つ例えると、目の表面および神経が間違った形で自然治癒を続けることで変形を続け、その結果、視界の劣化、および火傷で溶けるような目の痛みが発生しています。視界劣化と痛みは連動しており、かつて視界が良かったときは全く痛みはなく、視界が悪くなってくるのと連動して目の痛みが増しています。目の痛みは目を開いていても閉じていても関係ありません。

メリット4:ほかの視力矯正手術と比較してリーズナブル

これも正しいです。ただ、これも、逆にリーズナブルだからこそ、一般の人が気軽に受けてしまう傾向があるので、私はデメリットであると考えます。
さらに一般的な考え方として「安かろう悪かろう」という考え方がありますが、レーシックには該当しません。50万円以上する手術であったとしても「目の表面をレーザーで焼き溶かす」ということは同じですから、どれだけ費用が高い手術であったとしても後遺症が発生する可能性は安い手術とほぼ同じと言えます。

メリット5:レーシックで失明したという報告はない

これは正しいと言えば正しいです。しかし、落とし穴があります。正しくは「その医療機関が認識している範疇では、レーシックで失明したという報告はない」です。

私は20件以上の医療機関を受診しましたが、結論「特に異常無し」でした。これは何を意味するかというと、私に関してその医療機関の認識としては「レーシック手術は成功して視力も1.0あり、順調に術後経過している」となります。不具合が起こったという報告には含まれないのです。
このようなこともレーシックが放置された原因の1つだと考えています。

なお、失明の定義も考慮しないといけません。仮にレーシックで矯正視力が0.1以下になってしまった人がいたとしても光は見える訳ですから失明には該当しません。しかし、レーシックで矯正視力が0.1以下になったなら、近くもほぼ見えないと考えられますので、ほぼ失明と変わらないと思います。

ちなみにレーシックには失明リスクが仮になかったとしても、自殺による死亡リスクが存在することを忘れてはいけません。

※2 ■レーザー眼科手術は「一種の詐欺」!?
https://tocana.jp/2019/01/post_19448_entry_2.html

レーシックのデメリット

デメリット1:復元ができない

これも正しいです。しかし、復元ができないだけで、設計した通りの角膜で固定されたら問題は特にないという見方もあります。一般的なレーシック専門医も「術後は角膜が安定する」という見解です。
しかし、私の場合は異なります。「術後、角膜は安定せずに徐々に変化を続けている」状態です。(ちなみに私は角膜拡張症ではありません。)
「医者の見解と実態が異なる」これがレーシックの恐ろしいことの1つです。事前に専門医からいくら説明を受けたとしてもほぼ意味はありません。なぜなら、レーシック専門医とはレーシック手術の専門医であって、レーシック後遺症の専門医ではなく、レーシック後遺症についてはほとんど無知だからです。
レーシックには医者も分からない未知の後遺症がものすごく多いです。私も30項目くらいの後遺症に苦しんでいますが、他のレーシック難民の方で、私には無い後遺症で苦しんでいる方も複数いらっしゃいます。

デメリット2:極稀に視力の再低下がおこる

ここでいう視力の再低下とは例えば近視戻りのことです。これも正しいです。しかし、近視なんてメガネで矯正できるのですから、大したデメリットではありません。
真のデメリットは、「視力が劣化し、矯正できなくなる」です。何度も言いますが、私の視力は1.0程度ありますが、それは視力表の視力であって、見え方の1要素でしかありません。「※1 レーシック後遺症の恐ろしい視界」でお見せした劣化した視界はメガネやコンタクトでは矯正することはできないのです。

デメリット3:ハロー・グレアが起こる可能性がある

ハロー・グレアとは、夜間を中心に光が見えにくくなる現象のことで、これも正しいです。

私の場合は、術後数年以内はハロー・グレアがあっても特に気にならず、むしろ夜間の視界は術前にコンタクトレンズで見た視界よりもすばらしく感じていました。それほど大満足していた私が今は車の運転もできずに車を廃車にして生活するまでになってしまいました。
ちなみに、車の運転がほぼできないのは、夜間の視力低下がメインの理由ではありません。
一番の理由は、「判断能力・思考能力の低下」です。
とっさに人が飛び出してきても、頭痛やめまいなどで判断能力が低下しているため、安全な運転ができないからです。従って、昼間の運転もほぼできません(危険であること知った上で無理くり運転することは可能)。

デメリット4:一時的にドライアイになる可能性がある

これは正しくありません。正しくは「永久にドライアイになる可能性がある」です。私はおそらくドライアイではありませんが、重篤なドライアイで苦しんでいるレーシック難民の方を複数知っています。
私は、ドライアイではなく目は乾きませんので、目薬は不要です。しかし、目の表面が火傷で溶けるように痛むため、よく顔を洗っています。顔を洗うことで目の痛みをごまかすことができるからです。

デメリット5:見え方の質が低下する

これは、夜間視力の低下や、コントラストの弱い色が見えづらくなるという症状などであり、正しいです。
レーシック手術には近視を矯正するというメリットがある反面、光学的特性は低下してしまうというデメリットもあると書かれていましたが、正しいと思います。
私に関しては「※1 レーシック後遺症の恐ろしい視界」でお見せした通り、見え方の質が低下しています。

デメリット6:手術後に感染症を起こす可能性がある

これは正しいです。ただし、注意が必要なのは、感染症とレーシック難民を関連付けて、「当クリニックでは清潔管理をしているから大丈夫」と謳っている場合です。私が知る範囲では、感染症でレーシック難民になった人よりも、感染症以外でレーシック難民になった人が圧倒的に多いです。

術後満足度について

術後満足度の高さを安全性の根拠にしているクリニックも散見されます。これについては、正しくありません。
私の場合、術後9年間は「大変満足」していた訳ですから、満足度アンケートを記入した場合は「大変満足」に入っていたことになります。
そのような私でさえもレーシック難民になってしまったということは、「仮に術後満足度が100%であったとしても安全性の根拠にはならない」ということを意味することになります。
満足度と安全性は全く別物であるにもかかわらず、レーシック推進派は何とかしてレーシックを受けてもらおうと色々と策を練ってきますので、注意が必要ということです。

インフォームドコンセントやアフターフォローについて

インフォームドコンセントやアフターフォローをしっかり行っていることをアピールするクリニックも散見されます。これも安全性の根拠にはなりません。
なぜなら、繰り返しになりますが、レーシック専門医とはレーシック手術の専門医であって、レーシック後遺症の専門医ではなく、レーシック後遺症についてはほとんど無知だからです。
無知の人間からいくら事前説明・インフォームドコンセントを受けても、そして、いくらアフターフォローしてもらっても、意味は無いとしか言いようが無いからです。
さらに恐ろしいのは、「レーシック後遺症の大半は検査機器による異常は検出されない」ことを覚えておく必要があります。
これらの結果、レーシック専門医からは「手術は成功しており、術後順調である」という診断になるということです。

レーシック医自身がレーシック手術を受けている場合について

クリニックによっては執刀医自身がレーシックを受けていて、レーシックのすばらしさをアピールする内容が散見されます。
この内容自体は正しいと言えば正しいと思います。しかし、落とし穴があります。
術後9年間「大変満足」していた私も、
・こんなに快適なんだから他の人も受けた方が良いのになんで受けないの??
・最初は怖かったけどやって本当に良かった。
全く同じ考えでした。レーシック医も所詮人間ですので、考え方なんて似たようなものです。
落とし穴というのは「うまくいっている人間は似たようなことを言う」ことを覚えておくべきです。
その人がたまたまうまくいっているだけで、他の人も同じようになるかの保障は全くありません。その人がうまくいっていても安全性の根拠にはならないのです。安全性の根拠にしたいならたくさんの症例数を正しい形で集める必要があります。
さらにレーシックを行う側の発信は基本的に信用すべきではありません。それ以外の中立的な立場の人の意見を参考にすべきです。